2012年1月アーカイブ

2012年1月30日に、ついに立科小学校の水槽にサケ稚魚が入りました。
稚魚を運搬してきたケース内の水温に比べると、小学校の水槽内の水温
の方が少し低かったので、運搬ケースの水ごと稚魚をビニール袋に入れて、
水槽に浮かべ、水温に慣らしてから、水槽に放しました。

いよいよ稚魚飼育が始まりです。餌やりや水槽の水質のチェックなどは、
立科小の生徒さんたちが行います。うまく育つように頑張って!

今回、サケ稚魚飼育用にマニュアルを作成しました。小学生向けのものと、
教員向けのものの2パターンがあります。教員向けのマニュアルには、子ども
たちに投げかけると楽しいと思う質問をいくつか記しました。学校の理科教育
や環境教育の授業にお役立て下さい。

「小学生用マニュアル」のダウンロードはこちらから
「教員用マニュアル」のダウンロードはこちらから


水槽内を泳ぐ稚魚たち。少し入れすぎたか・・・。
稚魚水槽.JPG






















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2012年1月26日に、東御清翔高校で、私のゼミの学生が
これまでの調査研究の発表を行いました。

一昨年より、東御清翔高校では、高校周辺の河川における指標生物を
用いた水質判定調査が行われているのですが、昨年は、その調査の
サポート要因として、私のゼミ生たちも参加しました。

今回は、調べたことをどんなふうに発表すれば、相手にしっかりと伝わるのかを
高校生に知ってもらうために、AUN長野大学恵みの森に作られたため池が、
里山林の生物多様性に及ぼす効果について調べているゼミ生(うちの
ゼミリーダーです)が、高校生にゼミ研究内容の発表を行いました。

高校生を対象としたプレゼンでは、どんなことに気を付けなければならないのか、
ゼミ生にとっても、大変良い機会になったと思います。

今回の発表を聴いてくれた高校生たちは、自分たちで調べた環境に関わる事柄に
ついて、2月に発表を行うとのこと。ゼミ生を連れて聴きに行きたいと思います。


ところで、1月28日(土)に環境ツーリズム学部のゼミ大会が、長野大学の4-202教室で、
10:00〜16:00にかけて行われる予定です。

私のゼミ生たちの発表は12:55~13:15に行われます。興味のある方は、
ゼミ生たちの1年間の研究成果を、ぜひ聴きに来てください。



最初に、私の方からプレゼンで気を付けることについて話をしました。プレゼンで
大事なことは、1)調査するに至った背景をきちんと語る、2)プレゼンの最後に
結論を手短に示す、3)メリハリをつけたプレゼンを心掛けるの3つです。
最初の講義.JPG























続いて、うちのゼミリーダーによる研究発表です。大学内や学会での発表では
それほど気にすることのない「生態系サービス(=自然が私たちにもたらす様々な
恩恵のこと)」や「データロガー(水温などを自動で計測する機器のこと)」などの
専門用語は、高校生には当然伝わらず。聴いている人にあわせて、プレゼンで使う
言葉を変えたり、簡単な説明を加える必要があります。
学生の発表.JPG























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里川の魚たち第5回目はカジカです。カジカ科に属するこの魚は、里川の中では
上流域に分布し、時々イワナ釣りをしていると釣れたりすることがあります。肉食
性で、水生昆虫や時には小魚を食べることもあります。

ヨシノボリと同じく「イクメン」で、繁殖期である早春に、雄は石の下に巣を作り、
雌が巣石の天井に卵を産みつけた後、雄だけがふ化するまで卵を育てます。

私はカジカをはじめて見たときから、なんだが鳥に似ているなあと感じていたの
ですが、その理由はカジカの大きな胸びれが、鳥の翼のように見えるからかも
しれません。いつも流れがある川の中で、こんなに大きな胸びれは邪魔になる
のでは? と思うのですが、あまり無駄なものは、基本的には進化しないのが生物
の世界。この大きな胸びれを、彼らが生活の中でどんなふうに使っているのか、
今後調べてみたいテーマの一つです。

大変美味しい魚で、よく食用にされます。私は、唐揚げやカジカ酒(炭火で焼いた
カジカを日本酒に入れて作る)などが好きです。


昨年の夏の佐渡島でのゼミ合宿の時に、島内の小川で採集されたカジカの
写真です。
カジカ佐渡.JPG

















長野大学から車で20分ほどの距離にある武石川で観察できた、カジカの卵
です(掘 邦昌さん撮影)。「いくら」みたいで美味しそう?
カジカの卵.jpg
















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2012年1月12日に、立科小学校で、6年生の子どもたちと一緒にサケの
稚魚を飼育するための水槽の設置を行いました。

今年度から、このブログでも以前に紹介したNPO法人新潟水辺の会と一緒に、
長野県の小学生に学校でサケを卵から育ててもらい、自分たちが育てた稚魚を
3月に千曲川に放流するという活動を行っています。昔は長野県でも身近であった
サケを自分たちで育てることで、子どもたちに楽しみながら川の自然や地域への
理解を深めてもらえたらと考えています。

今年度は、試験的に、木島平小学校、野沢温泉村小学校、そして今回の立
科小学校の子どもたちにサケの稚魚を育ててもらう予定です。木島平小と野
沢温泉村小では、年末からすでに卵の飼育を始めてもらっています。立科小
では、稚魚から育ててもらう予定です。

1月12日は、最初にサケという魚の特徴について話をした後、飼育用水槽の
設置を行いました。再来週には、今回の取組でお世話になっている養魚場さん
から、稚魚が届く予定です。無事に育つよう、子どもたちと頑張りたいと思います。

今後は、サケを使った環境教育プログラムを、私のゼミ生たちと考えていく予定です。


水槽設置の様子。凍りつくほど冷たい水にもかかわらず、みんなやる気満々です。
立科小水槽設置風景.jpg






















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「里川の魚たち」第4回目は、コイです。日本全国に分布していますが、昔から移植が
盛んな魚であるため、自然状態でどのように分布していたのかは、よく分かっていません。
食性は雑食性で、水生昆虫や貝類、水草など、何でも食べてしまいます。

繁殖期は4〜7月で、水草に卵を産みつけます。1回の産卵数は20〜60万粒と、かなりの
数です。一般的に魚の卵や子どもは小さく、また動きも遅いので(卵はそもそも動けませんが)、
いろいろな動物の格好の餌食となります。ヨシノボリのように子育ては行わないコイですが、
これだけたくさんの卵を産めば、その内の何割かは、無事に大人にまで育つに違いありません。

長野県のように、海に面していない内陸の地では、コイは昔から重要なタンパク源として利用
されてきた食用魚です。長野大学のある上田市でもよく利用されていますし、お隣の
佐久市では「佐久鯉」がブランドとして全国的にも有名になりつつあります(佐久鯉については
佐久商工会議所のホームページも参照のこと)。鯉こくやうま煮、あらいや刺身などにして
食べられています。私は特に刺身が好きです。海の魚ではあまり味わえない、少しもちっとした
食感を楽しむことができます。

私たち日本人にとって、コイは親しみのある魚ですが、意外にも「世界の侵略的外来種
ワースト100」に選ばれた、世界から見るとちょっとやっかいな生き物です。

【外来種】
自然の分布域の外に、(意図的・非意図的に関わらず)人為的に導入された種のこと。
しばしば在来の生き物に悪影響を及ぼす。外来種についてより詳しく知りたい方はこちら
参照のこと(環境省のホームページです)。


【世界の侵略的外来種ワースト100】
国際自然保護連合(IUCN)が定めた、本来の生育・生息地以外に侵入した外来種の中で、
特に生態系や人間活動への影響が大きい生物のリストのこと。世界の侵略的外来種ワースト
100についてはこちらも参照のこと(IUCN Japanのサイトです)。


長野大学の近くの産川で採集された30cmオーバーのコイです。産川は川幅が4〜5mの
小さな川なのですが、淵には全長が60cmを越えるほどの、かなりの大物がひそんでいます。
CA3I0385.JPG



















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