里川の魚たち4 コイ〜里川の代表選手

「里川の魚たち」第4回目は、コイです。日本全国に分布していますが、昔から移植が
盛んな魚であるため、自然状態でどのように分布していたのかは、よく分かっていません。
食性は雑食性で、水生昆虫や貝類、水草など、何でも食べてしまいます。

繁殖期は4〜7月で、水草に卵を産みつけます。1回の産卵数は20〜60万粒と、かなりの
数です。一般的に魚の卵や子どもは小さく、また動きも遅いので(卵はそもそも動けませんが)、
いろいろな動物の格好の餌食となります。ヨシノボリのように子育ては行わないコイですが、
これだけたくさんの卵を産めば、その内の何割かは、無事に大人にまで育つに違いありません。

長野県のように、海に面していない内陸の地では、コイは昔から重要なタンパク源として利用
されてきた食用魚です。長野大学のある上田市でもよく利用されていますし、お隣の
佐久市では「佐久鯉」がブランドとして全国的にも有名になりつつあります(佐久鯉については
佐久商工会議所のホームページも参照のこと)。鯉こくやうま煮、あらいや刺身などにして
食べられています。私は特に刺身が好きです。海の魚ではあまり味わえない、少しもちっとした
食感を楽しむことができます。

私たち日本人にとって、コイは親しみのある魚ですが、意外にも「世界の侵略的外来種
ワースト100」に選ばれた、世界から見るとちょっとやっかいな生き物です。

【外来種】
自然の分布域の外に、(意図的・非意図的に関わらず)人為的に導入された種のこと。
しばしば在来の生き物に悪影響を及ぼす。外来種についてより詳しく知りたい方はこちら
参照のこと(環境省のホームページです)。


【世界の侵略的外来種ワースト100】
国際自然保護連合(IUCN)が定めた、本来の生育・生息地以外に侵入した外来種の中で、
特に生態系や人間活動への影響が大きい生物のリストのこと。世界の侵略的外来種ワースト
100についてはこちらも参照のこと(IUCN Japanのサイトです)。


長野大学の近くの産川で採集された30cmオーバーのコイです。産川は川幅が4〜5mの
小さな川なのですが、淵には全長が60cmを越えるほどの、かなりの大物がひそんでいます。
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このブログ記事について

このページは、高橋大輔ゼミナールが2012年1月 6日 17:18に書いたブログ記事です。

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