2011年3月アーカイブ

2011年3月8日〜12日に北海道の札幌コン ベンションセンターで

開催された第58回日本生態学会大会に、ゼミ生&魚部(川や湖で

自然環境について調べるサークルです)の学生と一緒に参加しました。

日本生態学会は生態学の分野では国内最大級の学会です。今回の

大会には2000名を超える研究者が参加しました。



  学生たちは、美ヶ原を水源とする武石川の支流で調査したサケ科魚類

イワナの食性と河畔植生との関連性について、ポスター発表を行いました。

陰からこっそり見守っていたところ、全 国規模の学会での発表は初めての

学生たち(しかもまだ学部の2年生!)は、かなり緊張していたようですが、

しっかりと研究内容を説明し、質問にも答えるこ とができていました。


  私はコイ科魚類オイカワを対象とした性選択(生物のオスとメスの外見上の

違いが生み出された理由を説明する進化理論)に関する研究について口頭

発表を行いました。大変うれしいことに、発表後、他大学の関連分野の方から、

共同研究に関するオファーをいくつか頂きました。



  来年は滋賀県の龍谷大学で大会が行われるとのこと。また学生を連れて

参加したいと思います。



学会会場の札幌コンベンションセンター。道には

まだまだたくさんの雪が残っていました。

会場.jpg















ポスターに訪れた研究者の方からのコメントをメモする学生たち。

「こんなデータも取ってみたら?」「イワナ研究者から見るとこの結果は

きっと正しいよ!」など、たくさんの有益なアドバイスを頂きました。

学生ポスタ.jpg















私の発表風景。大会には、ほぼ毎年参加(&発表)しています。

年々拡大する大会の規模から、生態学に対する日本での関心の

高まりを感じます。

高橋1.jpg






















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2011年3月5日に長野大学で開催された第4回千曲川流域学会年次

大会にゼミ生と一緒に参加してきました(千曲川流域学会については

こちらを参照下さい)。

午前中は「下流からの応援で上流の再生をー矢作川の川づくりから

考えるー」というテーマで、根羽村の小木曽亮弌村長から、森を中心

とした矢作川流域での上下流連携の取組についてお話しを伺いました。

 小木曽村長の講演が終わった後、大会参加者によるポスター発表が

行われ、そこで私のゼミ生たちも参加者へ自分たちの調査研究の成果を

説明しました。地域の人たちから頂いた様々なアドバイスは、ゼミ生たちの

今後の研究の発展に活かされることと思います。


塩田平のため池で池の管理が水棲生物に及ぼす効果について

調査したチームの発表風景。参加者の方に食い入るようにポスターを

読まれて、ゼミ生もちょっとたじたじ? でも頑張って説明をしています。

伊藤くんため池発表.jpg















尾根川の河川改修と生物相の関連を調べたチームの発表風景。

調査結果から、護岸の方法によっては河川の生物多様性の低下を

抑えることが可能であることが示唆されました。

尾根川発表.jpg















浦野川の水質調査を行ったゼミ生の発表風景。

下流にいくにしたがって水質が悪化するというデータが

得られました。

北澤くん浦野川.jpg






















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ゼミ生の早水 悠さんが、「千曲川上流域−中流域における土壌流出に

関する調査」という研究テーマで、第10回こしじ水と緑の会・朝日酒造

自然保護助成基金に採択されました。



こしじ水と緑の会は、里山や水辺に代表される身近な自然環境を守り、

現在と未来の世代に豊かな自然環境を提供することを目的に、2001年に

設立された会です。



本助成金は、新潟県の朝日酒造(日本酒の「久保田」で有名な会社です)の

支援を受けて、民間団体と個人が行う新潟県内および他県からの流入河川に

おける自然環境の保全活動や調査研究活動に対し、資金助成を行うという

ものです(詳細はこちらを参照下さい)。



近年、千曲川の中流域では、雨が降ったときに濁りが目立つようになっています。

このような濁りは、陸上からの土砂が川へ流れ込むことで生じます。川への土砂

の過剰な流入により、アユや水生昆虫の餌となる藻類が川で生えにくくなったり、

様々な水棲生物が隠れ場所として利用する川底の石の隙間が埋まるなどの、河

川生態系へのダメージが心配されますが、これまで、千曲川ではあまり詳しい

調査が行われていません。



早水さんの研究は、特に千曲川の上流から中流域にかけて、川の周辺の土地利用の

状況(森なのか畑なのか、あるいは居住地なのか等)と、千曲川の濁り具合との関連

性を調べ、千曲川の自然環境の保全に役立てることをねらいとしたものです。



助成期間は2011年4月から2012年9月までで、助成金額は50万円です。早水さんの

研究成果は、千曲川の、そして信濃川の環境の保全に必ず役立つものと期待しています。

もちろん、ゼミで彼の研究をしっかりとサポートしていきたいと思います。


こしじ水と緑の会の平澤理事長より助成決定

書を受け取る早水さん。

受賞の模様.jpg















研究計画の発表を行う早水さん。かなり緊張している?

頂いた助成金を有効に活用し、しっかりと研究を行って

欲しいと思います。

発表風景.jpg






















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