皆様、新年明けましておめでとうございます。
本年も田中ゼミをよろしくお願いいたします。
さて新春第一回目の記事となりますが、Linuxを使われている方からご好評をいただいておりますベンチマーク関連の話題をご提供させていただきます。
過去の記事として、こちらとこちらも参照してください。
<<システム環境>>
OS:
FreeBSD 8.2-STABLE 64bit
Ubuntu Linux 11.10 64bit
Driver:
FreeBSD: nvidia driver 280.13 (2012年1月6日 290.10 で再試験)
※ 【2012年1月6日追記:】
FreeBSD のドライバのバージョンを290.10に上げて再度試験を
しましたが、FreeBSD側の結果はほとんど変わりませんでした。
※ 【2012年1月6日追記:】
FreeBSD のドライバのバージョンを290.10に上げて再度試験を
しましたが、FreeBSD側の結果はほとんど変わりませんでした。
Linux: nvidia driver 290.10
CPU:
Intel Core i7 950 3.06GHz
メモリ
24GB
GPU:
【計測結果】
以下の実験では球オブジェクトの分割数に対するフレームレート(fps)を計測しています。このときfpsの値が大きい方が処理速度が速いことを意味します。
<< NVIDIA GeForce GTX 580>>
<< NVIDIA Quadro 2000 >>>
【考察】
計測結果から分かったことは、
<<FreeBSDについて>>
(1) Quadro 2000 と GeForce GTX 580の結果がほとんど同じになったことに
驚いています。この2つはシェーダユニット数やクロック、バス幅に至るまで
大きく異なっているので、本来はもっと違った結果が得られるはずです。
これは恐らくベンチマークプログラムが単純過ぎるため、処理速度が飽和状態に
なって本来の性能が発揮できていないためだと思われます。
(2) 分割数が大きくなっていっても処理速度が一定値以下にならない。
これはWindowsでも同様な結果になっているのですが、
ポリゴン数が多くなっても処理速度が落ちないような処理に
なっているのでしょうか? この部分の疑問が残ります。
<<Linuxについて>>
(1) まずLinuxはFreeBSDと比較して処理速度が遅くなっていることが
わかります。
これはベンチマークの数字の上だけの問題ではなく、
「次世代3DCGプロジェクト」で田中ゼミが開発している
様々なソフトウェアでも体感的に大きな差となって出ています。
(2) 負荷に応じて処理速度が低下していきます。
FreeBSDやWindowsと異なり、Linuxでは処理負荷(分割数)の増加に応じて
処理速度が低下していきます。
(3) Quadro 2000 と GeForce GTX 580の結果からある程度GPUの
アーキテクチャの違いのようなものが出ています。
アーキテクチャ的にはGeForce GTX580の方が高機能なのですが、
全体的にNVIDIAの高機能版ブランドであるQuadroの方が処理速度が
高くなっていることが分かります。
一般によく言われているようにOpenGLを使う場合は、GeForceよりも
Quadroの方が良いということがデータとして表れています。
<<全体について>>
田中ゼミではNVIDIAのGPUを使って、CGソフトウェアを開発していますが、現時点では上記のような性能上の問題があるため、Linux ではなく FreeBSDまたはWindowsを使っています。
この問題に関しては早めに結論を出したいのですが、現時点では先送りになっております。
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