先日,田中ゼミでは新型の3次元形状計測システムを導入したというご報告をさせていただきましたが,まだ苦戦中です.
このシステムは空間コード化法と呼ばれる方法を採用しており,プロジェクタからあるパターンを投影して,そのパターンをカメラで撮影して物体の形状を計測します.
この方法は,最初にキャリブレーションと呼ばれる事前調整が必要なのですが,それがうまくいかずに前回から苦戦しております.
キャリブレーションの精度が全然得られないどころか,そもそもキャリブレーション用の画像の認識率がもの凄く悪い.
認識率の悪さを改善すべく,みんなで様々な案を出し,試行錯誤を繰り返しながら調べています.
最初は機材が疑われ(まず機材を疑うのが田中ゼミの悪い癖),悪者にされたのはプロジェクタでした.
田中ゼミのプロジェクタは,色表現性能を向上させるために,液晶プロジェクタではなくDLPプロジェクタと呼ばれる方式のものを使用しているのですが,空間コード化法のように連続的にパターンを投影するような方式と相性が悪いのではないかということになりました.
それで,一般的な液晶プロジェクタが必要ということになり,森ゼミから液晶プロジェクタをお借りしてきました.森先生,ありがとうございました.
次に明暗の差が激しいパターン画像を撮影するためにカメラの設定を微妙に調整していきます.
こういった苦労の末,何とかキャリブレーション画像の認識率が向上してきたのですが,今度はキャリブレーション用のパターンの配置にかなり問題があることが分かりました.
この部分を改善しないとキャリブレーションの精度を向上させることができません.
それでキャリブレーション用パターンを効率よく設置するための装置をどうするか,ということで新しい計測台の設計をすることになりました.
また,ホームセンター等で材料を買ってきて自力で計測台を設計・制作しなければなりません.
なかなか手ごわいです.もうしばらく,このシステムとの苦闘は続きそうです.
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