2010年12月アーカイブ

2010年12月20日に新潟の糸魚川白嶺高校で多種共存のメカニズムに
関する講義を行いました。

この講義は、科学技術振興機構(JST)の助成事業の一つであるサイエンス・
パートナーシップ・プロジェクト(SPP)の一環として行われたものです(SPPに
ついては本ウェブサイト下段をご覧下さい)。

昨年度より、私と長野大学生たち(私のゼミ生や魚部員)は、糸魚川白嶺高校の
生徒たちの実習の指導やサポートを行うという立場で、この取組に関わっています。

今 年の高校生たちの実習のテーマは、新潟県の河川において、希少魚「アユカケ」を
含め、川に住む底生魚の胃内容物を調べ、様々な種類の底生魚が同じ場所で共
存できるメカニズムとして「くいわけ」がどの程度機能しているのかを検討すること
でした。

今年の調査結果についての高校生たちの発表を聴いた後(しっかりしたすばらしい
発表でした)、くいわけ以外の共存のメカニズムとして、「すみわけ」(生活空間を
違えることで種間競争を緩和するという多種共存機構の一つ)に関する講義を
行いました。

今回の実習を通じて、やはり生物や自然環境に関する学習は、野外において、
生き物に触れ、自然を感じながら行う必要があることを再認識しました。

今後も地域の教育機関と連携を図りながら、地域の理科教育や環境教育の
サポートを行っていきたいと考えています。

講義を行っている様子。すみわけの実例の紹介や、多種共存のためには

多様な環境が必要であることなどについて話をしました。

講義風景.jpg























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入門ゼミ生の中に、大学周辺の河川において、河川改修と生物相との
関係を調べているチームがいるのですが、先日、調査河川の一つである
尾根川の上流でおもしろい水生昆虫を見つけてきました(下の写真)。
何という昆虫かわかりますか?

そう、ホタルです。体サイズや身体の模様から、おそらくゲンジボタルの
幼虫だと思われます。見つけた学生たちは、自分たちで調べてホタルの
幼虫という答えにきちんと辿り着きました。なかなかの分類能力です。

ゲンジボタルの幼虫は普段は川の中で生活をしているのですが、春頃に
川岸の土の中に潜り込んで蛹になり、羽化して成虫となります。

今 回、幼虫が採集された場所は3面護岸(川の両岸と河床をコンクリートなどで
固める改修法)が施された場所でした。川岸がコンクリートで固められていると、
彼らは蛹にはなれないはずなので、この場所で毎年繁殖しているとは考えに
くいのですが、もしかすると蛹になるために利用できる場所が近くにあるの
かもしれ ません。

来年の初夏に夜間調査を行い、ちかちか光る成虫が観察できるかどうか
確かめてみようと思います。


ゲンジボタルの幼虫です。少しグロテスク?ちなみに

写真右上の小さな虫はカワゲラの一種です。

ホタル幼虫.JPG















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