先日,新しいグラフィックスボードの記事を書きましたが,今度はGTX 460の方の報告記事です.
最近マニアックなネタが続いて申し訳ありません.
今回もまたGPU(Graphics Processing Unit)のお話です.
こちらが田中ゼミのPC内に新しく取り付けられたNVIDIA GeForce GTX460です.
こちらのGPUはグレードとしては,先日のGTX 480よりも格下になるのですが,
GPUのコアのアーキテクチャを見てみると,GTX 480が GF100コアを使っているのに対して,GTX 460はGF104コアと新しいものを採用しています.
GF104はFermiのバージョン2とも言える新しいコアだということですが...
これでどの程度の速度がでるのでしょうか?
今回は以下の条件でベンチマークテストをしてみました.
OS:FreeBSD 8.1-stable, NVIDIA driver 256.44
シェーディング言語: GLSL
ベンチマークテストをしている様子(田中ゼミで開発中のソフトウェアで3つの球体を3DCGで再現)
まず最初は,田中ゼミで開発している美術品のデジタルアーカイブシステムを使って日本刀の3DCG再現をしてみました.この場合,以下のような3DCG生成速度となりました.
- GTX 295 (1GPUのみ使用) : 50FPS
- GTX 480 1.5GB : 150FPS
- GTX 460 1GB: 100FPS
前回のベンチマークテストの結果と比較して,GTX 460は,GTX 480の約2/3の速度が出ています.
旧GPU(GTX 295)のシングルGPUと比較しても約倍の速度が出ていることが分かります.
値段を考えると妥当な速度ではないでしょうか?
次にレイトレーシングシステムで3DCGの生成速度を比較してみました.
こちらは通常のGPUのグラフィックスパイプラインの処理を無視して,GPGPUとしてGPUを用いています.シェーディング言語としては,こちらもGLSLを使っていますが...
3DCGの生成速度は以下のようになりました.
- GTX 295 (1GPUのみ使用) : 25FPS
- GTX 480 1.5GB : 30FPS
- GTX 460 1GB: 13FPS(遅い??)
前回のベンチマークテストの結果と比較して,GTX 460は,GTX 480と比較できるどころか
旧GPU(GTX 295)のシングルGPUと比較しても約半分の速度しかが出ていないことが分かります.
どうした新型!? と,叫びたくなるような結果です.
参考までにもっと古いGPUを持ってきてベンチマークをとってみました.
さらに旧い二世代前の旧型のGPUで同様のベンチマークテスト(レイトレーシング)を行ってみると,
- GeForce 9600GT(1GB) : 8FPS
- GeForce 9800GT Green Edition(1GB): 11FPS
二世代前の,しかも低消費電力バージョンのGPUと大して変わらない結果になってしまいました.
NVIDIA GTX 460に関しては,今のNVIDIAドライバのGLSLのチューニングが甘いのか,それともGPGPUとして使うには,これが現時点での限界なのかレイトレーシング処理に関しては予想外に性能が出ない結果となりました.
本当にどうした新型!? と,叫びたくなるような結果になりました.
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